3月19日からNHK総合で放送が始まった『精霊の守り人』。上橋菜穂子氏によるファンタジー小説をもとにした連続ドラマ。女用心棒バルサ役で主演するのは綾瀬はるか(30才)だ。クランクイン半年前から殺陣練習と筋トレで撮影に臨んだというアクションシーンも話題で、初回視聴率は11.7%と上々の滑り出し。このドラマの見どころについて、コラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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そんなわけで元気よく始まった『精霊の守り人』。放送90年節目の「大河ファンタジー」と銘打った作品だけに、第一話からぐいぐいと飛ばしてきた。
物語の舞台は、精霊と人間が共存する世界の新ヨゴ国。主人公の女用心棒バルサ(綾瀬はるか)は、偶然、川に落ちた国の第二王子チャグムを救出する。しかし、それは、体内に精霊を宿した幼い王子を事故に見せかけて抹殺しようとした実父帝(藤原竜也)の謀だった。
チャグムの母である妃(木村文乃)は、宮殿に監禁されたバルサに「王子を守ってほしい」と頼み、バルサとチャグムを脱出させる。しかし、帝は強力な刺客集団「狩人」に追跡を命令。ふたりの壮絶な戦いの旅が始まる。
綾瀬はるかは、岩から飛び降り、森を走り、独特の武器「短槍」を操って敵を倒す。大迫力のアクションを見せる。半年前から筋トレに励み、稽古を積んで実際に自分でアクションをしているのである。『スタジオパーク』で本人が語ったところによると、撮影時には「足は馬みたい」で、猛獣のごとくアクションを終えると筋肉が「小鹿のようにプルプルと」していたという。すごい女優魂である。
しかし、このドラマを見て、視聴者が一番びっくりしたのは「綾瀬はるかがすごく色黒でワイルド」ということだろう。綾瀬といえば、SK-ⅡのCMでもおなじみの美白の女王のような存在だが、バルサは旅をする女用心棒らしく、日焼け具合は半端じゃない。第一話では、妃が帝に悟られぬように密かにバルサに近づくため、わざわざ女湯で二人きりになる入浴シーンがあった。薄暗い岩風呂の中、紫外線とは縁がなさそうな色白妃とは対照的に紫外線浴びっぱなしのバルサは白目だけが目立つという具合。久々に「ガングロ」という言葉を思い出した。