織田信長は塩辛い味付けを好んだという
NHK大河ドラマ『真田丸』で注目の集まる戦国の武将たち。彼らの活躍を支えた「食の秘密」を探った。
戦国武将には長命な人物も多かった。その秘訣が「食」にあると語るのは、食文化史研究家で元・西武文理大学客員教授の永山久夫氏だ。
「戦で勝敗を決するのは強靱な肉体と直感力と頭能。武将たちは命を賭けた戦のストレスに抗うための方法が『食』にあることを知っていたのです」
中でも戦国時代の三英傑、信長、秀吉、家康に共通するのが、大豆100%の「豆味噌」を好んで食していたことだ。
「豆味噌は必須アミノ酸のひとつ、トリプトファンが多く、幸せホルモンと呼ばれるセロトニンの原料になります。セロトニンは脳を活性化させ、ストレスに強くなる効果があることが知られています」
ほかにも、蛸や海産物から疲労回復効果がある「タウリン」、豆類と麦から強靱な肉体と精力を増強する「アルギニン」を摂取していた。
「当時の武将は、アルギニンを多く摂っていたので精力も旺盛。側室を何人も抱えていたのも、“アルギニン効果”があったからこそと言えます」
現代社会の私たちも彼らの食事から学べることがあるはずだ。
写真/明石雄介
※SAPIO2016年6月号