アメリカ版『フォーブス』で公表された2016年版世界長者番付にある日本人27人の名前をみると、浮き沈みが激しいといわれるIT業界で成功した人たちの名前がある。たとえば、ITバブルの主役として名を馳せた重田康光・光通信会長兼CEOである。
1988年に24歳で光通信を創業、1999年に東証1部に上場するや、一時は時価総額7.1兆円にまで膨らんだ。しかし、2000年に不公正な契約手法などが問題視され、株価は10分の1にまで急落。その後、断行したリストラが功を奏して経営危機から脱出。2014年から3年連続で長者番付に名を連ね、今年は堂々日本人13位(2260億円)に入った。
日本人15位(1810億円)は、ダルビッシュ有投手の元妻・紗栄子との交際でも話題の前澤友作・スタートトゥデイ社長だ。前澤氏はもともとバンド活動をしており、高校卒業後に当時交際していた彼女の留学についていく形で渡米した。
そこで買い付けた音楽CDやレコードのカタログ通販を始め、2000年に株式会社化。2004年にカタログ通販からファッションのネット通販サイト・ZOZOTOWNの運営に切り替えると、それが当たった。
「2016年3月期の売り上げは544億円と、前期比で133億円も伸びました。ZOZOTOWNの同期の年間購入者は447万人、それを1000万人に持っていく目標を掲げています」(経済アナリスト)
そうなれば、1810億円の資産にさらなる上積みは確実。ダルビッシュ投手がどれだけ大リーグで活躍しても太刀打ちできそうにない。
SNS関連では、馬場功淳・コロプラ社長(18位・1360億円)、笠原健治・ミクシィ会長(24位・1130億円)、田中良和・グリー社長(24位・1130億円)の3人がランクイン。全員が40歳以下という若き億万長者たちだ。
「グリーの田中社長はソニーコミュニケーションネットワーク(現・ソネットエンタテインメント)から2000年に楽天に転職し、2004年にグリーを立ち上げました。SNSゲームのプラットフォーム会社として急成長し、2012年6月期には1582億円を売り上げました。ただ、それ以降は伸び悩み、直近の2015年6月期の売り上げは連結で924億円、103億円の最終赤字になっています」(同前)