大学生の仕送りは11年連続で減少し、2015年度は月平均8万6700円に。生活費も1日850円(東京私大教連中央執行委員会調べ)たらずでかなりカツカツだが、そんな学生たちの助けになっているのが学食だ。
『TOKYO こだわりの学食』(スペースシャワーネットワーク刊)の著書がある大坪覚さんは、大学の博物館や建築物を取材していたときに訪れた、学食の質の高さに驚いたと言う。
「地元の野菜をたっぷり使ったヘルシーな定食や、味に定評のある業者やレストランと提携して本格的な料理を安く提供したり、独自の工夫をする学食が増えています。学生の交流の場にと、夜にお酒を飲めるところも」(大坪さん・以下同)
また、最近では、朝ごはんを食べない学生が心配だからと、100円程度で食べられる“朝定食”が全国の大学に広まっている。
「少子化が進み、大学の定員割れも多い時代に。今や学食は、学生を集める宣伝ツールのひとつになっていますね」
かつてわざわざ都心から郊外に移転した大学が学生獲得のために再び都心部にキャンパスを移し、学食をオシャレな空間に変貌させた大学も多いそう。
では、栄養学について専門に教える大学の学食はどうなっているのだろうか。とういうわけで、女子栄養大学・駒込キャンパスにある学生食堂『カフェテリア』に行ってみた。
この学食の目玉は、野菜たっぷりのヘルシー定食。肉か魚のメインに、野菜の小鉢が1品付く。塩分控え目だが、だしや野菜のうまみが効いていて食べ応えあり! ヘルシーなのにお腹一杯になると、レシピ本も人気に。以前は一般開放していたが、今は学生の利用のみ。
メニューは、女子栄養大学の食事法で4つの栄養群を点数化した“四群点数法“をベースに考案されており、食堂に細かく栄養素が掲示されている。「栄養計算、味付けや調理法を食べながら学んでほしい」と、卒業生でもある栄養士さんたちの愛情も満載だ。
一方、 日本一の志願者数を誇る近畿大学では、完全養殖に成功した話題のクロマグロを使用した丼(200円)を、年2回(4月と10月)に期間限定で学食で販売。英語必須の『英語村E3(e-cube、Eの3乗)』内にはカフェが併設。料理のオーダーのやりとりもネイティブスタッフと英語で行うため、実践で英語が身につくと、学生に人気だ。
『本館食堂KURE』では、500円以下の満腹メニューが勢ぞろい。一番人気は日替わりの『ガッツメニュー』(450円)。この日のメインは、ピリ辛ソースのチキン。から揚げやお揚げがのった『びっくりうどん』(240円)も人気となっている。
※女性セブン2016年5月26日号