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話題書『日本会議の研究』に関係者激怒「トンデモ本ですよ」

 決して知名度が高いとはいえない著者が、あまり広く知られていない団体を取り扱った本が大ベストセラーになっている。『日本会議の研究』(扶桑社新書)──。“研究対象”となった日本会議は安倍政権と密接な関係が指摘される一方、その規模や資金力、目的などの全貌は謎に包まれている団体だ。そこで、渦中の日本会議の幹部・関係者に直接、「日本会議とは何か」を聞いた。

「日本会議に関することは何をお話ししても誤解されることが多いので、取材はお受けしないことにしています」

 元最高裁長官で、14年間にわたって日本会議会長を務めていた三好達・名誉会長は、そういって電話を切った。三好氏が長くトップを務めてきた日本会議を取り上げて話題なのが、著述家・菅野完氏の著書『日本会議の研究』だ。

 本誌前号では、同書が指摘する、日本会議と安倍政権の密接なつながりなどについて紹介した。日本会議は会員数約3万8000人の保守系民間団体だが、連携する超党派議連「日本会議国会議員懇談会」には安倍首相を筆頭に、麻生太郎・副総理兼財務相や菅義偉・官房長官、高市早苗・総務相ら閣僚20人のうち実に半数の10人が名を連ねる。

 政策面でも、日本会議の主張や活動と、安倍政権の動きは奇妙な符合を見せている。例えば昨年、菅官房長官が「集団的自衛権の行使を合憲とする憲法学者はいくらでもいる」として名前を挙げた百地章・日本大学教授、西修・駒澤大学名誉教授、長尾一紘・中央大学名誉教授の3人は、いずれも日本会議が活動を後押しする「美しい日本の憲法をつくる国民の会」(以下、つくる国民の会)の役員を務める人物だった。

 そうした点を指摘した『日本会議の研究』に対し、日本会議側が「(自分たちの)活動を貶める悪質な宣伝本」だとして出版元の扶桑社へ出版停止を求める文書を送付する騒動になっている。

 一体、どの記述が問題なのか。そもそも、日本会議とは、どのような組織なのか。前述の「つくる国民の会」の幹事長である百地教授は、本誌記者が『日本会議の研究』の中では……」と質問を切り出すと、開口一番、怒りを露わにした。

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