まるで「日本の不幸は蜜の味」。日本が失敗すれば嘲笑い、成功すれば難癖をつける。それが韓国メディアの報道姿勢だ。在韓ジャーナリスト・藤原修平氏が韓国紙の社説やコラム記事から、その傾向を分析した。
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ここ数年、韓国では、「我が国の品格を貶める行為を慎むべき」という風潮が急速に広がりつつある。その一環で、「他国を罵ったり、嘲笑するのは恥ずべきこと」という意識が、遅まきながら国民に浸透しはじめたのだ。
しかし、相手が日本となると、韓国人は一瞬にして理性を失ってしまうことがよくある。反日報道の源泉が日本への畏怖と嫉妬心であることは間違いないが、日本の失敗に思わず小躍りしてしまうのもまた、韓国人の性なのだ。「日本の不幸は蜜の味」なのである。
そうした国民の心の機微を読み、反日感情を煽る韓国メディアの報道を抜粋・要約の上、検証する。近年の韓国メディアのトレンドは「日本の右傾化」と「軍国主義復活」をキーワードに、歴史問題や竹島問題で安倍政権に集中砲火を浴びせることだ。
たとえば4月28日付の『東亜日報』電子版は、日本のオーストラリア海軍次期潜水艦の受注失敗を、次のように報じている。
〈オーストラリアの次期潜水艦を受注して軍事大国化に弾みを付けようとした安倍晋三総理の夢が、中国の圧力で水泡に帰した。戦後初の大規模武器輸出を成功させ中国を牽制し、米・日・豪の安保同盟を強化しようとした安倍の野望にも支障が生じた〉
潜水艦を建造するのが三菱重工と川崎重工ということもあり、日本の“潜水艦商戦”の失敗に、ガッツポーズをしながら書いているかのように見える。韓国で両社は、“朝鮮半島出身者を強制労働に従事させた戦犯企業”の代表格とされているからだ。大手紙の中には、旭日旗を先端につけた「そうりゅう型」潜水艦の進水式の写真を掲載し、日本の“軍国主義化”を印象付けるものもあった。
最近の話題では、やはり2020年東京五輪の注目度が高い。日本での開催が不愉快で仕方ないらしく、各メディアは五輪招致を巡る日本の「裏金ゴシップ」を嬉々として報じている。