日本では長く「歯を削って銀歯を詰める」という虫歯治療がスタンダードとされてきた。しかし銀歯治療には「負の連鎖」も指摘されている。簡単に整理すると、以下のような流れだ。「銀歯治療」→「健康な歯まで大きく削る」→「歯の容積が減る」→「虫歯菌が歯根に到達」→「神経を抜く」→「歯の寿命が短くなる」→「抜歯」。さらに、銀歯には、広く知られていないリスクもある。以下、列挙する。
●銀歯が虫歯の“温床”になる
いわゆる「銀歯」と呼ばれているのは、主に金銀パラジウム合金を指す。これを歯に接着させるためにセメント剤を使用していた。実はこのセメント剤が経年劣化して流れ出し、歯と銀歯の間に隙間を作ってしまい、そこが虫歯の温床となっているケースが少なくない。
歯にすっぽりと被せる「クラウン」と呼ばれるタイプでは、本人が気づかぬまま、銀歯の下で虫歯が進行していくこともある。
銀歯は、歯科クリニックで型を取り、それを外部の歯科技工士が金銀パラジウム合金で作成する。そのため、歯科技工士の技術によって、ぴったり合う銀歯なのか否かが、大きく左右される一面がある。
銀歯の隙間に発生する虫歯は「二次カリエス」と呼ばれていて、歯医者なら誰でも知っているリスクである。しかし、患者にそれを伝える歯医者はほとんどいない。