テレビ朝日が来春、シニア層に向けた帯ドラマ枠を新設する。その第一弾が老人ホームを舞台にした『やすらぎの郷』。脚本は12年ぶりにドラマを手がける倉本聰だ。
海を望む山の斜面にひっそりと建つ『やすらぎの郷 La Strada』(イタリア語で「道」の意味)。費用はすべて無料という恵まれた老人ホームだが、入るにはある条件がある。「全盛期のテレビ業界に携わった人」にしか入居が許されないのだ。集まってきたのは、華麗な一時代を築いてきた大スターや放送作家、ミュージシャンやアーティストたち。それぞれがその狭いホームの中で、家族、財産、若き日々への思い、死の恐怖、そして恋愛に翻弄されていく──。
そんな『やすらぎの郷』で、妻を失った元シナリオライターを演じるのは、『水戸黄門』(TBS系)以来15年ぶりの連ドラ主演となる石坂浩二(75才)。そして、主人公を惑わす“かつての大女優”たちは、浅丘ルリ子(76才)、加賀まりこ(72才)、有馬稲子(84才)、野際陽子(80才)、八千草薫(85才)など、ズラリと「本物の大女優」たちが脇を固めた。
この豪華なメンバーを見て、何か思い出さないだろうか。恋愛、破局、結婚、不倫、離婚──彼女たちはドラマではなく、現実の世界で昭和芸能史を「色と恋」で彩ってきた。
「主演の石坂さんを中心に出演キャストは過去に恋愛関係などで一悶着も二悶着もあったメンバーです。キャスティングでそれをまったく考えてなかったかといえば、うそになるでしょう。すでに“因縁の共演”だと話題を呼んでいますからね」(テレビ局関係者)
最大の注目は、石坂と元妻・浅丘、元恋人・加賀という「三角関係」のそろい踏みだ。石坂は1962年、テレビドラマ『潮騒』で加賀と共演。ふたりのヌードシーンが話題を呼んだ。1966年の舞台『泥棒たちの舞踏会』での共演をきっかけに交際をスタート。毎日バラの花を1本ずつ加賀に捧げる熱の上げようで、アイドル並みの人気を誇ったふたりの熱愛はマスコミを賑わせた。