東京に女性初となる小池百合子・知事が誕生し、内閣改造では稲田朋美氏が防衛大臣に、丸川珠代氏が五輪担当相に抜擢された。女性議員の比率が世界最低水準という問題がかねてから指摘されてきた日本で、彼女たちの存在感が増している。
安倍晋三・首相の“秘蔵っ子”といわれ、自民党の出世レースで丸川氏を一歩リードするのが稲田氏だ。「選挙区のある福井名産のメガネと網タイツがトレードマーク。地元を大切にしているとアピールするために伊達メガネを手放さないことに象徴されるマメさが持ち味で、おじさんウケは抜群」(党関係者)だという。
“タカ派のプリンセス”との異名をとる稲田氏は初当選以来、毎年8月15日の終戦記念日に靖国神社を参拝することで知られる。「靖国神社というのは不戦の誓いをするところではなくて、『祖国に何かあれば後に続きます』と誓うところでないといけないんです」などと発言してきた。
だが、党内で男性人気が高い秘密はコワモテ発言とは正反対の“守ってあげたいキャラ”にあるという。ベテラン政治部記者の話。
「稲田さんが党内の弟分の高鳥修一・代議士のパーティに出席した時、2人で君が代を唱う場面があった。ギターの弾き語りが趣味で歌が抜群にうまい高鳥さんに対して、稲田さんはたどたどしい音程だったが、けなげに最後まで歌い切ると会場はドッと沸いて万雷の拍手。これが彼女の持ち味。
安倍首相にとっても、次期首相として帝王学を学ばせるというより、閣内に置いておけばホッとする癒やし系として目をかけている」