「このたびはっ、皆さまに多大なるご迷惑をおかけして、本当に、申し訳ありませんでした!!」。9月9日、不起訴処分で群馬県警前橋署から釈放された高畑裕太(23才)は、署の前に詰めかけた報道陣を前に大声を張り上げた。
絶叫後、30秒間にわたって深々と頭を下げた裕太が迎えの車に乗り込む際、報道陣からどよめきが起きた。裕太は憮然とした表情で、何度も報道陣をにらみつける。先導する女性弁護士の後ろを歩きながら、報道陣のほうににじり寄ってきた。
「まさか殴りかかられるんじゃないかと思った。それほど怒りに満ちた表情でした」(現場にいた全国紙社会部記者)
8月23日未明、裕太は映画のロケで滞在していた前橋市のビジネスホテルの客室で、40代の女性従業員Aさんの手足を押さえつけて強姦し、右手首と指にけがを負わせたとして逮捕された。事件の衝撃は大きく、シングルマザーとして裕太を育てた高畑淳子(61才)に対し、「甘やかしすぎだ」「過保護」と母親としての責任を問う厳しい声が世にあふれた。
強姦致傷は、無期または5年以上の懲役に処せられる凶悪犯罪であり、逮捕された裕太には重い判決が下ると予想された。ところが、誰もが予期せぬ無罪放免だった。裕太が不起訴処分となったのは、被害を訴えたAさんとの示談が成立したことが大きな要因とされる。
不可解な展開となった今回の事件だが、逮捕当日に一体何が起きたのだろうか。
裕太は映画の撮影で8月20日から群馬県前橋市に滞在していた。被害を訴えた40代女性・Aさんは、裕太が宿泊していたビジネスホテルの従業員だった。
騒動前日の22日夜、このホテルから外出する際、裕太はフロントにいたAさんに「いい店ないですか?」と声をかけ、観光ガイドのパンフレットを受け取っていた。これが2人の最初の接点だった。
ホテルを出た裕太は、前橋駅前の温泉施設を訪れてから、近所にある飲食店を2軒回り、ホテルに戻った。一部では泥酔状態だったと報じられたが、飲食店店員の証言では、裕太はそれほど酒を飲んでいなかったという。逮捕時、群馬県警の発表は以下の通りだ。
「被害女性は、裕太容疑者の依頼で備品の歯ブラシを部屋に届けに行った際、いきなり手首をつかまれて部屋に引きずり込まれた。彼女の知人男性が110番通報し、県警が事情を聞いたところ容疑を認めたため、逮捕した」
だが、裕太の担当弁護士コメントは、こう主張する。