織田裕二や鈴木保奈美主演でドラマ化し、大ブームとなった柴門ふみさんの漫画『東京ラブストーリー』。それから25年、現在女性セブンでは続編となる『東京ラブストーリーAfter25years』が連載中だ。
ドラマ版で、カンチの同級生・三上健一(江口洋介)と結ばれる医大生・長崎尚子を演じたのが、千堂あきほ(47才)。当時、学園祭クイーンとして大学の学園祭に引っ張りだこだった彼女にとって、『東京ラブストーリー』はどんなドラマだったのだろうか。千堂あきほが、当時を振り返る。
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長崎尚子は、すごく賢くて、できる女でいいところのお嬢さんでした。私自身、もし芸能人になっていなかったら、短大に行って、幼児教育の勉強をしたいという夢があったので、尚子で女子大生役を演じられることがとてもうれしかったです。
実は、全国放送の連続ドラマは、この作品が初めてでした。
ほかの出演者のみなさんは、とても自然体でしたね。例えば、江口さんはロケ先にふらりと自転車で来てました。一方の私はとにかく緊張しっぱなし。せりふを覚えて、演出家の言うことを聞くだけで精一杯でした。
ドラマの放送が始まっても、しばらくはブームを実感していませんでした。そんなある日、六本木の路上でロケをしていた時のことでした。
街角の女の子が「カンチ」って、一緒に歩いている男の子に言っていたんです。東京の六本木で、東京ラブストーリーのリカをまねしている女の子がいる──。そこで初めて、「大ブームになっているんだ」と、実感しました。
印象に残っているシーンは、尚子が結婚したばかりの夫を捨てて、三上の元に行くところです。実は、裏話があって、当初の台本では、この場面にキスシーンがあったんです。だけど、当時私はアイドルだったので、事務所がNGを出したみたいです(笑い)。
結局、抱き合って、見つめ合うシーンになりましたが、キスシーンがなくてよかったのかもしれません。同年代の友達は今でも、「あのシーンはいいわ、よかったわ」と言ってくれます。