「ちょっと、この部屋乾燥してるよね? 一回、ドア開けちゃおっか?」
インタビュー会場に入ってきたSHIHO(40才)は、ひと通り挨拶を終えるとそう言った。そして、「私が私の管理人ですから」と、ちゃめっ気たっぷりに笑う。真っ白なシャツにくるぶし丈のワンピース姿の彼女は、真っ赤な口紅が映えるヘルシーなツヤ肌をしていた。
こういったシンプルだけど徹底した自己管理がいかに大事か。記者は自分のカサカサになった頬を触って自己嫌悪に…。寒くて乾燥しているから仕方ないと見て見ぬフリをしていたが、それは決して理由になっていない…。
「自分を喜ばせるのも、自分を嘆かせるのも、全部自分しだい。だって自分のことは誰もやってくれないですもん! どれくらい輝きたいか、あるいはどれくらい衰えたいか。それを決めるのも自分ですから」(SHIHO、以下「」内同)
こんなふうに考えるようになったきっかけは、2011年10月、夫で格闘家の秋山成勲(41才)との間に長女・サランちゃん(5才)が生まれたことだった。
「30代は、結婚や出産があって、仕事も続けられて、とても幸せな環境に恵まれたけれど、振り返れば、自分を取り巻く人や周りとのバランスを取るのが本当に大変でした。良い妻に、良い母に、良いモデルに、って一生懸命になっているなかで、自分自身がとてもすりきれてボロボロになっていることに気づいたんですね。“自分らしさってなんだっけ?”って、そんなことすらわからなくなってしまっていました」
働く女性はもちろん、子育てママや親の介護に翻弄されている人…それは誰しも思い当たるフシがあるのではないだろうか?
さらにSHIHOは40才になる直前、年齢への焦りから「もうひとり子供が欲しい」と、不妊治療もしていた。
「時間をかけて考えて、初めて体外受精を試みました。でも、結局うまくいかなくて流産してしまったんです。そのときはめまぐるしい変化に心と体がついていかず、矛盾と葛藤の日々になりました。