米大統領選の投票日直前、元国務大臣・亀井静香氏とトランプ氏が会談するとの情報がメディアを騒然とさせた。面会は叶わなかったが、“保守本流”を自任する豪腕政治家は何を伝えようと思ったのか。亀井氏が語った。
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世界中が米大統領選挙の結果に驚いたけど、俺は2016年5月の時点でトランプ氏が勝つと確信し、その頃からせっせと人脈を構築してきたんだ。
元々オバマ氏が大統領になったのは、米国の富を独占するエスタブリッシュメントを打ち負かすことを米国民が期待したから。でも、オバマ政権は大した効果を得られず、「裏切られた」と感じた層が今回は雪崩を打ってトランプ氏を支持したんだ。
ところが選挙中にトランプ氏は、「日本は日米安保にタダ乗りしている」「核兵器を保有せよ」なんてことを言うから、日米関係を正確に認識してもらおうと意見交換を申し込んだ。俺はミーハーじゃないから会うだけじゃ意味がない。
最低30分は議論したいと申し出ると「それで結構だ」と言うので、大統領選挙前日の11月7日にNYにあるトランプタワー14階の選挙対策本部に乗り込んだけど、選挙直前で現場も混乱して、結局会えなかった。(そこで亀井氏はポケットから花札を取り出して)会談中にこの札を差し出して“トランプ”に対抗しようと思ったのに、残念だったよ(苦笑)。
今後の日米関係は対等の立場で協力し合うべきだ。日本の科学技術や日本との貿易がなければ、アメリカは立ち行かない。
俺は自由貿易を支持するけど、TPPのように“米国さまの仰ること”のみに従うのではなく、互いの利益を考えた経済協定を結ぶ必要がある。
そのためには、「トランプショック」に日本がどう対応するかがカギとなる。トランプ氏は商売人だから海千山千のヒラリー氏より御し易いはずだけど、弱腰で交渉したらアメリカにグイグイ押し込まれてしまう。