投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が2月6日~2月10日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円はもみあいか。引き続き米トランプ政権の政策内容が主要な手がかりとなりそうだ。米連邦準備制度理事会(FRB)による引き締め方針の継続でドル高基調は維持される見通しだが、政策が経済だけでなく外交や安全保障、人権問題など広範囲に影響することが懸念された場合、ドル売り要因になりそうだ。
トランプ政権は、欧州やアジアの特定の貿易黒字国による通貨安政策に対する批判を強めており、日本もその対象国となっている。10日の日米首脳会談は、安倍晋三首相や同席が予定される麻生太郎財務相が、トランプ大統領に対して日本の経済政策を説明する見通し。円安政策は「アベノミクス」の根幹とみなされており、米国側の理解が得られない場合には円高・株安の相場展開となる可能性がある。急速な円高は株安を招き、株安が円高を促す負の連鎖に陥る可能性ある。
一方、FRBによる年後半3回の利上げペースという市場コンセンサスは変わっていないことから、日米金利差が意識されやすい。トランプ政権が国内経済のテコ入れにつながる政策を提示すれば、好調な米国株を通じてドルが買われる展開もあり得る。米長期金利の動向はドル・円などの為替取引で有力な手がかり材料となる見通し。
【日米首脳会談】(10日予定)
トランプ米大統領の就任後初となる日米首脳会談。経済から安全保障までこれまでの日米関係を維持していけるのか注目される。特に、主要貿易黒字国に対し米国側は通貨安誘導と批判的で、日本の円安政策に理解が得られない場合は株安を通じて円高圧力が強まる可能性がある。
【米・2月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値】(10日発表予定)
10日発表の2月ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は97.8と、1月実績の98.5をやや下回る見通し。ただ、高水準は維持する見通しで、市場コンセンサスとおおむね一致すれば、ドル買い要因になりそうだ。
・2月6日-10日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。