歴史を知る側から見ると、現在の世界の状況は極めて深刻のようである。作家の落合信彦氏が新しい米大統領の就任式について言及した。
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私はこの半世紀あまりにわたって、実に11人の大統領就任式を見てきたが、ドナルド・トランプの就任式はその中でも最低のものだった。
なにしろ就任前から「不支持率」が51%にのぼり、多くの議員が就任式をボイコット。マルティン・ルーサー・キング牧師とともに活動し「公民権運動の闘士」として知られるジョン・ルイス下院議員は「私は次期大統領を、正式な大統領だとは認めない」と公言するほどだった。
さらに就任式直前には「モスクワの高級ホテルで隠し撮りされた性的映像をロシア側が握っている」というスキャンダル情報まで飛び出した。
こんな汚点まみれでスタートする大統領など、異例中の異例だ。ヒラリーの夫、ビル・クリントンは大統領選挙中に女性スキャンダルが発覚していたが、トランプの大統領としてのレヴェルの低さは彼をしのぐ。
トランプの「器」は、就任式のスピーチに表れている。
〈From this day forward, it’s going to be only America first.(今日からはとにかく「アメリカ第一」だ)〉
〈We will follow two simple rules: Buy American and Hire American.(我々は2つの簡潔な規則を守っていく。アメリカ製品を買い、アメリカ人を雇う)〉
この発言から見えてくるのは、自国の目先の利益ばかりを考える姿だ。未来に対する責任も感じられなければ、世界全体をあるべき姿に導こうという思想もない。
今回は、このトランプとケネディ兄弟を比べてみよう。