国内

加計学園疑惑 存在感薄れた石破氏にとって失地回復の好機

失地回復の絶好の機会か?

「参考人招致でも証人喚問でも、国会に呼ばれれば出席して証言する用意はあります」──本誌・週刊ポストの取材に応じた前川喜平・前文部科学事務次官はそう語った。前川氏は、獣医学部の新設で首相の意向が働いたのではないかという加計学園疑惑で朝日新聞がまず報じた「総理のご意向」文書を本物と認めた。

 自民党は森友疑惑で「総理の名誉を傷つけた」と籠池泰典・前理事長を喚問し、逆に、新事実を次々に突きつけられて傷口を広げた。首相や自民党幹部から「しつこい人」「ウソつき」とレッテルを貼られた籠池氏の証言でさえも“爆発力”は大きかった。

 読売新聞が前川氏が出会い系バーに出入りしていたと報じたが、いくら“出会い系バー役人”と貶めようと、文科省トップを務めた大物官僚の証言となれば、威力は籠池氏の比ではない。それどころか、自民党内には前川氏と歩調を合わせて“謀叛”を起こそうとする空気さえある。

 獣医学部の新設は文科省の厳しい規制で過去52年間認められていなかった。加計学園のケースも、日本獣医師会が反対運動を展開、文科省の他、農水省、厚労省の関係3省庁がこぞって慎重論を唱えて最初の申請(2007年)から15回連続で却下された。党内に農水族、文教族など獣医学部新設慎重派が多いからだ。

 自民党で獣医学部新設反対の先頭に立ってきたのは、獣医師問題議連会長の麻生太郎・副総理、同議連幹事長の森英介・元法相、それに石破茂・元幹事長らの大物議員たちだ。

 とくに石破氏は国家戦略特区担当の地方創生相時代、「既存の大学・学部では対応が困難な場合」など4条件を定め、戦略特区に特例として獣医学部を認めるケースを厳しく限定した。ところが、地方創生相が安倍側近の山本幸三氏に交代すると、石破4条件がなし崩しにされ、強引に認可へと動いた。

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