「共謀罪」も成立した今国会で目立った安倍一強と野党のふがいなさ。野党は政権をチェックする責任をどこまで果たし得たか。小沢一郎氏(自由党代表)に、こうした状況を打開するには何が必要かを聞いた。
◆聞き手/武冨薫(政治ジャーナリスト)
──あなたは自民党幹事長だった時代、野党にどう処するべきか身をもって体験してきた。
小沢:いや、あの頃とは時代が違う。評論家の江藤淳さんは55年体制を「自民党と社会党が地下茎で結ばれている」と表現したが、あの時代は日本経済が右肩上がりで、野党も与党も本質的な方向性の違いはなかった。
しかし、日本経済が右肩上がりではなくなった現在、安倍政権のように「弱肉強食」の政策を進めるか、それとも「分配の公平」を重視するかで日本の針路、国民生活は大きく変わってくる。安保も、原発も、共謀罪も与野党で基本的な考えが違うのだから、徹底して議論し、対決しなければならない。