運命の日は目前に迫ってきた──。6月28日午前10時から幕張メッセの国際展示場ホールで行なわれる東芝の株主総会。
「日本を代表する大企業が定時株主総会で決算を報告できないなんて聞いたことがない。まさに前代未聞の事態だけに、どこまで紛糾するか想像もつきません」
そう語るのは、『経済界』編集局長・関慎夫氏だ。とはいえ、東芝の他にも今年の株主総会で波乱が予想される企業は数多くある。いくつか紹介しよう。
◆富士フイルムHD(6月29日)
筆頭は、傘下の富士ゼロックスの海外子会社による不適切会計問題が発覚した富士フイルムHD。当初の予想を大幅に上回る375億円の損失の責任を取るかたちで、富士ゼロックスの山本忠人会長を解任して富士フイルムの古森重隆会長が兼務する人事を発表した。
「ゼロックスの損失は親会社の決算を毀損して、株主も不利益を被ります。一方で不祥事を利用したかたちで独立色の強かったゼロックスの経営を親会社が握ることになったため、株主から『自分らだけ焼け太りではないか』との声が噴出し、荒れ模様の総会になると予想される」(経済ジャーナリスト・磯山友幸氏)