元農林水産大臣・玉澤徳一郎氏(79)
「昔はよかった」──そう言いたいのではない。利権や派閥の論理に彩られた「古い自民党」は、国民の猛批判を浴び、下野を余儀なくされたこともあった。しかしそうした「汚さ」の半面、かつて党の中枢を担った議員たちには「政治とはかくあるべし」の矜持があった。彼らは言う。「今の自民党は、もはや国民のために在る政党ではない」──と。党安全保障調査会会長、農林水産大臣を歴任した玉澤徳一郎氏(79)が諫言する。
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日本は貿易国家であり、貿易抜きで国は成り立ちません。だから、ただただTPP反対ではなく、農林水産業も競争に耐えうるように質を向上させ、生き延びる方策を考えねばならない。
私が閣僚だったころ、牛肉の輸入を解禁した際は、関税をかけ、それを資金に子牛の味をよくするための技術開発に向けた。いま38%の関税を取っていて、それで牛肉の質を向上させたので、いまや和食ブームにのって、アメリカへ輸出できるようになった。反対しているだけでは何も生まれません。
安倍政権の農林水産業の振興策は非常に優れていて、私は高く評価しています。ただ、方針はいいが、各論を担う自民党の個々の政治家の力が落ちていることは痛感します。