投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が9月4日~9月8日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円もみあいか。14日発表の8月消費者物価指数(CPI)など経済指標から、米連邦準備制度理事会(FRB)による年内追加利上げの可否を見極める展開となりそうだ。
FRBが19-20日に開催する連邦公開市場委員会(FOMC)の会合では、政策金利は据え置きの公算だが、利上げ継続の方針を維持するかどうか注目される。ただ、大方の市場関係者の予想通り、FRBがバランスシートの縮小に踏み切った場合、ドル売りがさらに強まる可能性は低いとみられる。
一方、トランプ大統領は、連邦政府の債務上限問題で民主党執行部と12月中旬までの短期間の引き上げ案で合意した。これにより米国債の債務不履行(デフォルト)懸念はひとまず後退し、トランプ政策実施への期待が広がっている。ただ、欧州中銀(ECB)理事会が債券買入れプログラムの縮小に関し、10月にも判断する見通しとなり、ユーロ買い・ドル売りが活発となっている。この動きはドル売り・円買いを促す要因になるとみられており、ドルの上値はやや重くなる見通し。
また、引き続き北朝鮮による核・ミサイル開発を巡って米朝の対立は続いており、東アジア情勢の緊迫化が意識されていることから、リスク回避的な円買いがただちに弱まることはないとみられる
・9月11日-15日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。