大きな注目を集めるなか9月12日にiPhoneの新モデルが発表され、日本では22日からiPhone 8とiPhone 8 Plusの販売が始まった。11月3日には、顔認証機能もついたまったく新しいiPhone Xの販売も始まる。スマートフォンのシェアを調べると、どの調査でもiPhoneは若年層、とくに女性からの人気が高い。流行にも敏感な若年層は、新しいiPhoneにどう感じてどのような反応をしているのか。ITジャーナリストの高橋暁子氏が解説する。
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スターツ出版運営のケータイ小説サイト「野いちご」による女子中高生を対象としたスマホやネット事情に関するアンケート(2017年9月)によると、使っているスマホは全体では「iPhone」が51.4%で最多。「Android」は40.9%だった。女子高生に限定するとiPhoneの割合は60.2%にまで増えるなど、若年齢層におけるiPhoneの人気は絶大だ。
「iPhoneじゃないと恥ずかしい」「仲間はずれにされちゃう」と、中高生の子どもが強硬にiPhoneをねだったという話はよく聞く。「最初は『子どもにiPhoneなんて贅沢』と思ったけれど、話を聞くと確かに仲良しは全員iPhone。気持ちが分からなくはないから困った」という保護者の声を聞いたことがある。
気持ち的にはiPhoneを持たせてあげたいと思っても、何しろiPhoneは価格が高いことで知られている。iPhone7のときで6万円程度からと高価なのでそうそう買えるものではない。そこでその保護者は、型落ちiPhone(iPhone5)を買ってあげたという。「古くてもiPhoneならいいと上機嫌だったからよかった」。
◆古くてもいい、でも新しければもっといい
少し前に女子高生数名に話を聞いてみたところ、新しいiPhoneを持っている子はそれほど多くはなかった。親の中古iPhoneを譲り受けたり、型落ちiPhoneを購入してもらっているケースがほとんどだったのだ。若年齢層は「iPhone」にこだわっているだけなので、「iPhone5」などの古いiPhoneでも一切問題にならないのだ。
でも新しいiPhoneには憧れは持っている。「自撮りの時は新しいiPhoneの方がきれいに写る」と口を揃えて言う。そこで、「自撮りの時は新しいiPhoneを持っている子に借りて撮る」などして乗り切っているという。あとは画像加工アプリなどで補正すれば、満足する出来に仕上がるそうだ。新しいiPhoneを持っている子は把握しており、仲間内でも重宝されているらしい。
20代くらいになると、無理しても新しいiPhoneを買うという層も現れるが、それほど多いわけではない。全体に共通するのは、iPhoneに対する強烈なこだわりだ。新しいiPhoneに憧れはあるが、あまりに高価なので購入は現実的ではないようなのだ。
10代、20代は扱う機会が多いので落として画面を割る割合も高い。しかし修理には数万円かかるので、画面が割れているくらいでは気にせずそのまま使っている例が少なくないようだ。