果たして“最強の独裁者”と呼ばれた男に肉薄できる候補者はいるのだろうか──。2018年3月のロシア大統領選挙が迫り、プーチン大統領(65)の対抗馬に注目が集まっている。2017年12月、ロシア西部のニジニ・ノヴゴロドの自動車工場を訪れたプーチン大統領は、来る大統領選挙に立候補することをついに明らかにした。
「表明の場所としてここより良い場所はないでしょう。私は大統領選に出馬します」
首相だった4年間を含めるとすでに14年間もロシアのトップに君臨しているというのに、さらに1期6年続けるという意思表明だ。ロシア国民の間にうんざりする声が広がっているかと思いきや、そうでもないという。
「各種世論調査でプーチン氏の支持率は7割前後をキープしています。原油価格の値下がりやクリミア併合後の欧米の制裁で経済は停滞していますが、反欧米感情が強く『強い指導者』を好むロシア人の気質から人気は衰えません」(大手紙モスクワ特派員)
そんな“独裁・プーチン”の最大のライバルと目されているのが、野党指導者のアレクセイ・ナヴァリーヌイ氏(41)だ。クリスマスイブの12月24日にはナヴァリーヌイ氏の支持者らが集会を開き、1万5000人以上が同氏の立候補に指示を表明。ただし彼は過去の横領問題を蒸し返されており、一度は「立候補資格なし」とされた経緯がある。立候補できるかどうかは中央選挙管理委員会が2017年中にも裁定するとされるが、「奇跡でも起こらない限り立候補は不可能」とも言われ、不透明な状況だ。
それだけにプーチン氏の再選は盤石か……と見られているが、ここにきて意外な対抗馬が現われた。
出馬表明したのはクセーニア・サプチャーク氏(35)。美貌のテレビ番組司会者で、サンクトペテルブルグ市長を務めたアナトーリ・サプチャーク氏の娘だ。ロシアを代表するセレブでメディアへの露出も多く、パーティー好き。「ロシアのパリス・ヒルトン」と陰口を叩かれている。