口をあけて寝る人には「顎バンド」(時事通信フォト)
世の中にはさまざまな快眠法が紹介されているが、「試してみたものの効果はあまりなかった」という声も少なくない。それは不眠の原因を正確に把握できていないことが大きな理由だ。睡眠に詳しい、16号整形外科院長の山田朱織医師がいう。
「眠れない原因は人によってそれぞれ違うので、その原因に合った対処法でなければ効果はありません。大切なのは、なぜ自分が眠れないのかを把握すること。熟睡できない原因は『姿勢』『温度管理』『呼吸』『精神面』のいずれかが原因となっていることが多いといわれています」
中でも「呼吸」は熟睡できない大きな理由となる。睡眠障害に詳しい雨晴クリニック副院長の坪田聡医師が語る。
「呼吸が妨げられると、深い眠りが得られないだけでなく、脳や体に十分な酸素が供給されず、疲労や病気を引き起こす」
その原因は、寝ている状態になると鼻や喉など“空気の通り道”が狭くなること。睡眠中の呼吸を改善するためのグッズは数多く販売されている。「鼻腔拡張テープ」は、鼻腔を広げることで鼻呼吸が促され、深い眠りが得やすくなる。
口を開けて寝るクセがついてしまっている人も対策が必要だ。
「舌の付け根が気道を塞いでしまい、呼吸しにくくなっていると考えられます。いびきの原因になるだけでなく、睡眠時無呼吸症候群につながることもある」(同前)
鼻通りが悪くないなら、「口閉じテープ」を使えば口呼吸ができなくなり、自然に鼻呼吸できるようになる。さらに強力に口を閉じる「顎バンド」もある。