全国で蒸気機関車が続々と引退していた1969年。百貨店のお中元目玉商品として売り出された北海道の昭和鉱山から運んだクラウス型蒸気機関車(時事通信フォト)

全国で蒸気機関車が続々と引退していた1969年。百貨店のお中元目玉商品として売り出された北海道の昭和鉱山から運んだクラウス型蒸気機関車(時事通信フォト)

ふるさと納税で保存資金を募る

 東京都世田谷区では、行政がふるさと納税を活用してSLを守ろうと悪戦苦闘している。同区の世田谷公園内にはSLが展示保存されていたが、長年の展示で褪色が目立っていた。世田谷区は2019年に世田谷公園SL塗装プロジェクトを開始。ふるさと納税制度を活用して、車体を塗り直すための資金を募った。

 ふるさと納税を活用した同プロジェクトでは、寄付金額により塗装体験やヘッドマーク、記念写真といった返礼品が用意された。しかし、目標とする1500万円には届かず、世田谷区は募集期間を延長する。

「期間を延長することで、少しでも目標金額に近づけようと頑張ってきました。しかし、SLの褪色はどんどん進んでいきます。目標金額にこだわって、いつまでも引き伸ばすのもよくないと判断し、今夏に再塗装を実施することにしました。目標金額には達していませんが、ふるさと納税は今後も継続し、広く寄付金をお願いしていく予定です」と話すのは、世田谷区公園緑地化課の担当者だ。

 世田谷区は仕切り直しのため、今年7月から返礼品のメニューを変更する。

「HPでは5月27日現在の寄付総額が391万円となっていますが、6月に総額400万円を突破しました。今後も目標金額に近づけるよう、広く呼びかけていきたいと思っています」(世田谷区公園緑地化課の担当者)

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