一口に戒名料といっても「暗黙の相場」があり、格式によってその価格も変わってくるというが、戒名は自分でつけることもできるという。宗教学者の島田裕巳氏が、自分でできる「戒名の作り方」を教えてくれた――。
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寺院と寺檀関係を結んでいるなら、年忌法要などで住職との関係も継続するし、戒名料としてお布施を払うのにも納得がいく。でも寺檀関係がない場合は、戒名を授かる必要も戒名料を支払う必要もない。それが十分には理解されず、戒名が単に死後につける名前として形骸化してしまっている現状がそもそも問題です。
葬儀のメニューに含まれているからというだけで戒名料を払う人が多いのですが、葬儀は俗名(自分の名前)で行なうことも可能。実際、私の父と祖父母の葬儀は俗名で行ないました。
戒名を自分で考えることだってできます。仏教的には歓迎すべきことではないでしょうが、実は戒名は僧侶が付けなければならないという決まりはない。制約はないんです。自分や親しい人の戒名を付けた作家もいるし、私自身もおじの戒名を考えました。僧侶もそれを認めてくれたんですね。
厳密には宗派による違いはあるし、院号や道号などの決まりごとはありますが、それも慣習によって成立したもの。絶対的なルールはないんです。自分で付ける場合には原則を無視したって構わない。
これまでの人生を振り返りながら、自分らしい戒名を考えてみても面白いと思います。(談)