公開中の映画『冷たい熱帯魚』で「村田愛子」を演じる女優・黒沢あすか(39)は語る。
「“愛子”としてどう生きていられるか、その事だけを考え、全身全霊でこの役に挑みました」
「村田愛子」の名の通り、全身で愛欲を貪る女性を演じた。ふてぶてしくも、一途に愛を求める姿に、引き込まれる。同作品の脚本・監督を手がけた映画監督の園子温氏も、「黒沢あすかでなければ村田愛子役は成立しなかった」と、彼女を称える。
「最近の日本映画には本当の意味での『女優』が少なくなっている気がします。それは全身を使って演じる││という、全てをさらけ出して昇華しようという『女優』という意味において、です」
劇中、全身を血で真っ赤に染めながらも少女のように無邪気に愛を請う姿など、妙に艶めかしい。
「下着姿にちょっと血が付いて微笑んでいる彼女がとてもエロティックだった。思わず血の量を増やしました(笑い)。血がついた黒沢さんは魅力的でエロティック。そして本当に美しかったです」(園監督)
【プロフィール】
黒沢あすか(くろさわ・あすか) 1971年12月22日生まれ。現在公開中の映画『冷たい熱帯魚』(テアトル新宿ほか、全国順次拡大公開中)やドラマ『外交官黒田康作』(フジテレビ系・木曜22時~)に出演。
撮影■宮澤正明
※週刊ポスト2011年3月4日号