突如、住宅地や山の合間からニョッキと姿を現わす巨大な観音様。日本にはこのような巨大仏がいたる所に目に付くようになった。
天平の時代、聖武天皇が東大寺に大仏を建立したのは、乱世と疫病による社会不安を鎮めるためと言われるが、現代の巨大仏は大分事情が異なる。その多くが富を謳歌したバブル期に造られた。
伝統仏教が巨費を投じて造ったものもあるが、特に多いのが宗教法人とは無関係の企業によるものだ。バブル期に富を得た不動産業者を中心に客寄せのための「観光仏像」が、各地で競うように造られたのだ。
写真は牛久大仏(茨城県牛久市)。全高120mはブロンズ立像として世界最大。その大きさは奈良の大仏が掌に乗り、ニューヨークの自由の女神の約3つ分の高さにもなる。晴れた日には約60km離れた東京・六本木ヒルズからもその偉容を望むことが出来る。1993年、浄土真宗東本願寺派本山東本願寺によって造られた。
その他、日本の巨大大仏を2つ紹介しよう。