史上最高値を更新し続けるドル建て金価格は、2011年も高値追いの展開になりそうだ。
昨年11月上旬、1トロイ・オンス(約31.1035グラム)の価格がニューヨーク金先物市場(12月渡し価格)で史上初の1400ドル台を突破。さらに翌月の12月9日には史上最高値の1434.50ドルをつけた。今後どこかで相場の上昇ピッチが一気に速まれば1500ドル台、1600ドル台も視野に入ってくる。
そんな金に投資をしたいという人も多いだろう。金のスペシャリスト、マーケット ストラテジィ インスティチュート代表取締役の亀井幸一郎氏が金投資について解説する。
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ドル建て金価格が記録的な高騰を続ける一方、日本国内の金価格は円高の影響を受けるため、それほど急ピッチで上昇はしていない。国内金価格の最高値は為替相場が1ドル=240円前後だった1980年1月につけた1グラム=6495円。今年は1グラム=3900円前後で推移しているが、ドル建てやユーロ建て金価格が高値を更新していく中、実は日本国内金価格だけが最高値を更新していない。
裏返せば、金に対して価値を落としていない唯一の通貨が円ということになる。世界で最も割安で金を買えるのが今の日本なのだ。
しかも今年も円高ドル安の流れは続くと思われる。目先ではなく、5年後、10年後に備えて少し金を保有しておきたいと考えるならば、現在のような円高状況は割安で金投資できるチャンスといえる。
日本でも金ETF(上場投資信託)の種類が少しずつ増え、昨夏には金現物に引き換えられる『純金上場信託(現物国内保管型)』(愛称「金の果実」)も上場。金投資の選択肢は金貨や地金以外にも広がっており、金投資を始めやすい環境になっている。小口から買えるのも魅力だろう。
注意点としては、最高値圏で推移しているドル建て金価格が調整するときは、下げ幅が70ドル~100ドル程度になる可能性が高いことである。この下げ局面をつくるタイミングは、ヘッジファンドの手仕舞い売りなどが出たときだろう。
だが、大きく下がっても、また買いが入り、時間をかけて段階的に次の高値ステージに切り上げてくると思われる。目先の金価格の動きに一喜一憂せずに構えることが大切だ。