警察官募集を呼びかけるポスターが年々、ユニークなものになっている。若者の目にとまろうと、あの手この手で試行錯誤しているのだ。
たとえば三重県警のポスターにはAKB48ならぬ「MKB68」と大きく記され、4月に大卒警察官68人を募集した(MKBは「三重」「警察官」「募集」の頭文字)。他にも「ごめんですんだら警察いらんわ!!」(大阪府警)、「ドラマのような仕事ではないですが、ドラマチックな仕事です。」(滋賀県警)など、ユニークなキャッチコピーがつけられている。
「景気低迷で企業の雇用は冷え込む一方ですが、定員数が決まっている警察は別です。団塊世代の大量退職に伴い、その穴を埋めるべく新人の大量採用が急務となっているのです」(兵庫県警OBの飛松五男氏)
しかし、少子化の影響か警察官自体が不人気なのか、せっかく枠が増えても受験者が減少。2000年は受験者13万4611人に対して合格者は8921人の倍率15.1倍だったのに、2009年は受験者12万7871人に対し合格者1万5018人で、倍率は8.5倍にまで減っている。各道府県警がポスターやビラの制作に力を入れる訳なのである。
「若者にとって重労働、夜も眠れない、などマイナスイメージが強いかもしれない。しかし、一口に警察官の仕事といっても刑事課、交通課、生活安全課ではまったく違うし、最近はパソコンの普及に伴いシステムエンジニアの採用もある。安定しているし、もっと人気が出てもいいと思うのですが……」(前出・飛松氏)
調べてみれば、ノンキャリでも40歳で平均年収800万円と、給与も高水準(地方公務員、一般職の場合)という。
※週刊ポスト2011年6月24日号