各種調査によると今夏のボーナスの使い道を、「預貯金」と答えた人が約半数。震災後の自粛ムードは薄れたとはいえ、「しっかり貯めて、将来に備えたい」という風潮は根強い。そこで、この超低金利時代に、おカネを賢く、こっそり貯める“へそくり”法を考えてみた。
■「家計の口座とへそくり用口座は分ける」が基本のき
ボーナスのような大きな収入があったときに貯金するのは簡単だが、普段からコツコツ貯めるのは面倒だし、難しい。そこでオススメなのは、家計用の口座とは別に、へそくり用の口座を作っておくこと。
「わざわざ口座を作らなくても、冷凍庫や額縁の裏に隠しておけば大丈夫」と考えるのはちょっと甘い。隠しているつもりでも、へそくりの在処は、意外にバレているものなのだ。また、現金が手元にあると、ついズルズル使ってしまいがち。家計からも自分からも隔離できる口座に入れておけば、ムダ使いも防げるし、へそくり額を把握してニンマリ…という楽しみ方もできる。
■家族に秘密で貯めるなら、ネット銀行を活用
へそくり用の口座に最適なのは、インターネット銀行(ネット銀行・ネットバンク)を使うこと。ネット銀行は、通常の銀行と違って、店舗をもたず、パソコンやケータイ、スマートフォン(スマホ)のインターネットを通じて取引ができる銀行で、普通の銀行との主な違いを簡単にまとめると、以下のようになる。
【1】 出入金は各ネット銀行が提携しているコンビニやスーパーのATMで。
【2】 24時間365日、振込などのサービスを利用できる。
【3】 通帳はなく、出入金などはインターネットサイトで確認。
【4】 通常の銀行よりも手数料が安い。もしくは無料。
【5】 普通預金や定期預金の金利が、通常の銀行よりかなり高い。
へそくり用の口座を作る場合、とくにポイントが高いのはまず【3】。つまり通帳の隠し場所を考えなくてもよい、ということだ。また、【4】のように手数料の心配をしなくて済むなら、給料などが入ったときに、自分で決めた金額をさっと入金しよう、という気になる。もちろん、【5】の金利という面でも、貯金するなら普通の銀行より、ネットバンクがベターということになる。
■ネット銀行選びのポイント1:へそくりは生活導線上に
へそくり用口座を作るときは、自分の“生活導線”上にあるネット銀行を選べばいい。まず、自宅や職場の近くにあるコンビニやスーパーのATMが、どのネット銀行と提携しているかをチェックする。次に、パソコンなどで、そのネット銀行がほかにどんなコンビニやスーパーと提携しているかも確認する。提携先が多いほど、出入金できる場所が多くなるからだ。
自分が立ち寄りやすいところにATMがあれば、「ちょっと今週は余裕があるな」というとき、貯金箱に入れるような感覚でへそくり用口座にこまめに貯金ができる。コンビニやスーパーのATMでは、銀行のATMほどの行列ができることは少ないので、待ち時間を気にする必要もない。