20~50代の主婦600名に「年齢を推測するために見てしまう」部位を調査した結果、1位は「顔」(89.9%)、それに続く2位は「手・指」(69.8%)となった(P&G調べ)。これまで「年齢は首に出る」と言われてきたが、こちらは3位で58.8%。高価なネッククリームなどで首をケアしていた人にとっては、予想外の結果といえるだろう。
反響の多かった「“おばさん化”防止には『手肌年齢』を意識 アピール可能」の記事でレポートしたように20~40代の女性は、平均的に「手肌が実年齢よりも老けて見える」という結果も出ている。
TVや雑誌でも活躍中の美容皮膚科・内科医 あおいクリニック銀座の中野あおい先生に、“日常生活の中で手肌を守る”テクニックを聞いた。
「手肌は顔の皮膚に比べて、5~6倍も新陳代謝の速度が遅いのです。また、心臓から遠いため、血液の循環が悪く、栄養や酸素も行き渡りにくい部位でもあります。
手肌は老化が表れやすく、一度シミやしわなどの老化の兆候が出ると、なかなか元に戻すのが難しい部分のひとつといえます。実際、レーザー治療でも、顔のシミより手のシミのほうが除去しにくいのです」
クリニックを訪れる患者さんにも、手肌を若返らせたいと希望する女性が年々増加しているとのこと。
「顔の加齢サインはメイクで隠すこともできますが、首や手肌は目につきやすい反面、カバーしにくい部分。30代後半になると手肌年齢を気にし始める人が増えますが、20代でも、70代でも、美意識の高い方ほど手肌を美しく保ちたいと考えているようです」
“老けやすい”手肌にも、顔や首の皮膚にはない利点がある。それは“誰もが簡単に、いつでもケアできる”ということだが、美容のプロともいえる中野先生に、あえて“1人の女性として、愛用しているアイテム”を紹介してもらった。
※カッコ内は税込価格/メーカー。価格はすべて編集部調べ。
職場の机に「ネイルオイル25:25」(8190円/uka・写真左のサルのホルダー付きのもの)と「爪みがき」(友人からのプレゼント・写真左手前)を常備。ささくれやギザギザが気になったときに、さっとケアしている。
キッチンでは、「ジョイ モイストケア」(180円/P&G・写真左奥)を使用。
「食器の汚れはしっかり落ちて、手肌の潤いは流れにくいと知って、これを使うようになりました。以前はゴム手袋をはめて食器洗いをしていましたが、素手でさっと洗っても手荒れしないですね」
中野先生の手肌はふっくらとして、シミひとつない。ほかにもスペシャルケアをしているはず……と訊ねてみると
「仕事柄、ネイルアートもできませんし、特別なことはしていないんですよ。でも朝晩のスキンケアをするとき、コットンや手のひらに残った化粧水やクリームは洗い落さず、手にすりこんでしまいます。それだけで、1日2回はケアしていることになるから、簡単でしょう?」
意外なことに、プチプラコスメも愛用。そのひとつ、日本産の植物から抽出したエキスを配合したシートマスク「SIZUKU」(各105円・全8種類/ラブラボ)は、イオン導入機「キャリーオン」(1万4800円/ジェイメック・いずれも写真中央手前)と同時に使うことで、さらに効果がアップするという。
パッケージに残った美容液は、首や手肌にのばしてムダなく利用。保湿パック「スキンシューティカルズ ハイドレイティングB5マスク」(8400円/エル・エヌ・オー・写真右中央のチューブ)は、顔だけでなく、首と手肌にも使う。
「わざわざ手肌だけをケアするのは面倒でも、顔の“ついで”にケアすれば、時間もかからないし、ケアを忘れることもなくなります。毎朝、日焼け止めをするときも、手肌にも塗って、紫外線対策をしています」