「国内の『ストライダーカップ』レースは、“真剣勝負”という人が多いのですが、アメリカでは全体に“楽しもう!”という雰囲気があって、親たちも楽しめましたね」(良平さん)
――生中継を拝見しましたが、レース直前のいつきくんやはるきくんに「Go! Go! Japan!」と声をかけてくださる現地の方もいましたよね。
「そういった感じで、競争だけじゃなくて、みんなで盛り上げていこう! というのが本当に良かったです」
――さて、つばきちゃんがストライダーを始めたきっかけは?
「アウトドアのショップで見かけて、自分の方が“おもしろそう”と思って与えてみたら、子供がすっかりはまってしまった、という流れでしたね。
バランス感覚が良くなるとか、そういうメリットもあるけれど、子供自身が楽しんでいるというのが1番でした」
――サイトや動画・グッズなど、かなり完成度が高いですが、制作はどうされているんですか?
「全部自分たちでやっています。完全に手作りですね。妻も物作りが好きなので2人で一緒に、趣味みたいな感じで作っている状態です」
フロリダは特別にしても、地方でも開催される「ストライダーカップ」などに家族で毎週のように参戦し、サイトや動画・グッズが玄人はだし……ということで、良平さんの職業を勝手に“ある程度は時間が自由になる、フリーランスのクリエイターだろう”と予想していた。しかし良平さんの職業はシステムエンジニアで、会社勤めをしていると聞きびっくり。
――趣味みたいな感じ……といっても、平日は会社があって、休日はストライダーカップを転戦したり、他のチームとの交流をしていることが多いですよね? どうやって時間を確保しているんですか?
「それはもう、寝る時間を削ってやっています(笑い)」
「THE NO PEDALS」のサイトに書いてある「大人も全力で楽しんでいきます!!」というコメント通り……というよりも、正真正銘の“全力”ぶりである。
――お子さんの“今しかない”瞬間を一緒に楽しんでいるのが、とても伝わってきます。ストライダーを通じて変わった、ということはありますか?
「ストライダーに出会う前は、休日といっても家族で買い物に行くくらいしか、していなかったんです。いわゆる“昼過ぎまで寝てるお父さん”(笑い)
まぁ単なる遊びだけじゃなく、『ストライダーカップ』というレースができたことも大きいですね。子供を“真剣に応援できる”という状態が、楽しくてしょうがない。
そこをきっかけに育児にすごく参加するようになったし、自分の家族だけじゃなくて他の家の子とか、関わりが増えていって……でもやっぱり、なんだかんだ自分の子供のことをこんなに小さな年頃で“真剣に応援できる”というのが、たまらないですね」
――つばきちゃんが大きくなったら、どんな“父と娘”の関係になりたいですか?
「仲の良い友達みたい……というのが理想だけど、女の子だし難しいかなぁ。
いつもベタベタしなくてもいいし、普段は『大嫌い!』とか言っていても、“本当は大好きな存在”になれたらいいなぁ(笑い)」
Ustream生中継などでフロリダでは忙しく、かまってもらえなかったせいか『つばきちゃんランキング』で“16位まで下落した”と、ブログに切ないエピソードを書いていた良平さん。しかしこの取材の最後に記者が「つばきちゃん、お父さんは今、何位?」と聞いたところ、「1位!」と嬉しそうに答えてくれた。