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創業160年・四谷にある角打ちの老舗 絶品ポテトサラダあり

宮内庁御用達でもある酒屋部門


■日本の酒ならなんでもある自慢の地下酒蔵

 店の地下に酒蔵がある。酒飲みにとってそれは宝島と呼べるような夢の空間だ。歴史を重ねる酒屋だけに、日本全国の蔵元との交流は幅広く、そこには、数多くの地酒や銘酒が顔を揃えている。

「新宿には地酒の品揃えが豊富なことで知られる百貨店がありますが、この地下酒蔵には、そこにないものでもここにはあるとの神話が伝わっているんです。降りてきてみれば、それが誇張でないことがわかります」と、自慢げに話す常連客の姿が、実に微笑ましい。

 蔵には10℃、5℃、-3℃に温度管理された3つの部屋があり、例えば大吟醸、純米吟醸などは-3℃の部屋というように、酒の性質に応じて、分けて保存される。

「お客さんは自由に出入りが出来ます。ここで酒を選んで持ち込みで飲まれる方もいますし、角打ちしてみて気に入った銘柄を帰りに買っていかれる方も多いですよ」(7代目)

 この地下酒蔵と並んで評判の高いのが、すべて手作りの酒肴メニューだ。

「せんべいとか乾き物だけじゃ申し訳ないと、先代が築地の魚河岸で、冷凍の小ちくわを見つけてきたの。まだ一部が凍ってるくらいのときにわさび醤油で食べると、おいしくてね。これが喜ばれて、毎日200本以上、出たんじゃないかしら」(萬里子さん)

 以来、つまみにこだわり続け、毎朝河岸で仕入れた材料で、昼前から手作りしたものが今日もカウンターにいくつも並ぶ。

「曜日限定の牛すじ(火曜)、串揚げと煮たまご(金曜)狙いの方もいれば、1日交代のポテトサラダ、マカロニサラダを電話で予約してくる人もいます」(7代目)

 小説を読みながら、保育園に長男を迎えにいく待ち時間をここで過ごす人。父親からこの店の話を聞かされ続けて、今では自分も通うようになったという社会人2年生などの姿が、この日の客の中にあった。

「この店で出会って結婚されたカップルもいらっしゃいますし、海外赴任でしばらく来られなくなった方もいます。喜び哀しみに酒があるって言いますけども、お客様のためにも、できることなら、ずっとこの空間を守っていきたいですね」(7代目)

■スタンディングルーム鈴傳
【住所】東京都新宿区四谷1-10
【電話】03-3351-1777
【営業時間】17時~21時
【定休日】土・日・祝日
ビール大びん500円、日本酒380円から。持ち込みは別料金。つまみは、ポテトサラダ、マカロニサラダなど、ほとんどが350円。さしみ3点盛400円。

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