六本木ヒルズで超特大UFOキャッチャーに興じるたくさんの家族、それを見守るほかの家族、にぎやかに登場するカーニバルの一団……。そんなユニークなCMが、YouTubeで125万回も再生されたことでも話題のトヨタの大容量コンパクトカー『ラクティス』。
あまりの大きさと撮影の大変さに思いを馳せた時、ちらりとわき上がる“ひょっとして、CG?”という疑問。しかしあの“もふもふ&ポヨ~ン”と弾む姿は、リアルぬいぐるみの風格(?)が感じられる。CM撮影前の設営シーンの動画を見ても、やはりちゃんと建て込みしているもよう。……ということは、やっぱりあのUFOキャッチャーも実在するのか? と興味が膨らむ。
調べているうちに、CM撮影に使われた全長180cmの巨大なクマのぬいぐるみ「ラクマ」の実物か、ラクティスのどちらかが当たるというプレゼントキャンペーンが3月5日まで実施されている情報を発見!
“これはすごい勢いで、応募が殺到しているのでは? ぬいぐるみは、どうやって作ったんだろう? 撮影のウラ話も聞いてみたいぞ!”ということで、トヨタマーケティングジャパン・マーケティング局の三枝正樹さんに話を聞いた。
「ラクティスとラクマのどちらかを、お客様が選んで応募する形になりますので、現時点ではラクティスを選んで応募する方が多いです。ただCM放映後にお客様から“あのUFOキャッチャーの巨大ぬいぐるみが欲しい!”という問い合わせをいただき、今回ラクマもプレゼントすることになりました」(三枝さん・以下「 」内同)
ラクティスは、“子どもの誕生日には有給休暇”“パパも公園デビュー”といった新しいライフスタイルを持つ20~30代を中心とした『イマドキ家族』をターゲットにしているという。そんなイマドキ家族の“幸せはみんなでシェアしたい”という気持ちを象徴的に表現したのが、超特大UFOキャッチャーに多くの家族が挑戦するイベントCMだったのだ。
そして気になるぬいぐるみは、なんと中国の工場で1体ずつ手縫いで50体作成し、クレーンの方は国内でUFOキャッチャー作成のプロからアドバイスをもらいながら、本物そっくりに、かつ世界最大サイズを目指した力作だ。
「取れそうで取れない確率は何%なのかという本物感にこだわって、クレーンの先は丸か四角か、角度はどれくらいがいいのか、そして安全面でも徹底したテストを繰り返して作りあげていきました」
従来にない取り組みに対し、社内からも“本当にやるのか!?”と議論を呼んだが、新しい試みへの強い想いで説得。プロジェクトは大まじめに、でも遊び心いっぱいに進行していった。