その丸テーブルとは、日本酒の4斗樽を利用したもの。店内にはこれが4つあるが、それぞれにファンがいるのだという。
「他にも電線を巻いていたコイルを横にしたものや、酒のケースに丸い台を載せたものなど全部で8台あって、みんな、この円さが好きみたいですよ」(中島さん)
別の4斗樽テーブルファンが、この店のプロ的楽しみ方を伝授してくれる。
「ぼくがここでよく飲むのは、焼酎ハイボールなんだ。変に存在を主張しない味っていうか、すっきりしていて甘さもないのがいいんだよね。この店のうまい料理には、この酒が一番合うんじゃないかな」(50代)
この店で知り合って2年近くなるというバドミントン仲間の35歳と40歳のサラリーマンが、ダメ押し的にさらなるうまさを教えてくれた。
「製麺所もやってるんで、そばメニューは捨てたもんじゃないし、日曜にしか作らないカレーは、どや顔で自慢したいほどの味。酒を飲まない人が、わざわざこれを食べに来るんですからね。もちろん、ぼくらは日曜日にもここに来ますよ」
詰めれば50人ほどが入れる尼崎の幸せ空間、『中島南店』。3駅先にある甲子園球場に行ったことがない人でも、ボートの舟券を買ったことがない人でも、だれでも出入りは自由だそうだ。