『アクエリアス ゼロ』と団扇を配り、熱中症への注意を呼びかける
梅雨明けと共に真夏日や猛暑日が続き、いよいよ夏も本番。6月の全国の熱中症での搬送者数(速報値)は3549人、死者が3人となった。各地で熱中症予防を呼びかけるイベントが、渋谷など多くの人が集まる場所を中心に行なわれている。日本気象協会では「熱中症ゼロへ」プロジェクトをスタートし、活動を応援する「熱中症予防PR大使」として人気のゆるキャラを起用するなど、幅広く注意を喚起している。
「熱中症予防PR大使」に選ばれたキャラクターに限らず、この夏、多くのイベントに登場するゆるキャラだが、ある人気ゆるキャラの運営関係者は「個体差はありますが、大使であるゆるキャラたち自身の熱中症対策も重要」と語る。夢を壊さないため、「裏側については、あまり語ってはいけないのですが……」と言いつつ、過酷な実態を教えてくれた。
「キャラクターによって状況は異なりますが、今の時期ゆるキャラの“中”は軽く40℃を超えます。水分補給は本当に大切なんですが、トイレなども大変なので事前に多めに飲むというのは、できないですね。今でこそブームになって、きちんとケアを考えて適切に水分補給などの休憩ができるよう、運営側とイベント主催側とが連携できる環境になってきましたけど、以前は暑さから動けなくなったゆるキャラを、みんなで担いで裏へ……なんてことも」
みんなを楽しませてくれる彼らだが、熱中症への対策を熱心に呼びかける背景に、自分たちの体験に基づく想いもあるようだ。
熱中症に気をつけるべきなのは、もちろんゆるキャラだけではない。また日本気象協会に限らず、自治体や行政機関などを中心に、日常生活に密着した熱中症への注意を呼び掛ける取り組みは、多くの機関で行なわれている。その中のひとつ、環境省や渋谷区などと連携し「熱中症予防 声かけプロジェクト」を実施している日本エンパワーメントコンソーシアムの代表理事・山下太郎さんに、7月6日(土)7日(日)渋谷ハチ公前で行なわれたイベント会場で話を聞いた。
「最近は屋内での熱中症も認知されてきましたけど、家の中にいると“熱中症にならない”と思い込んでしまったり、水分補給などのケアに対して油断しがちです。また外にいる時に注意したいのは、こまめに休憩すること、こまめに水分補給することですが、水分を摂れればどんなものでもいい――というわけではなく、汗で失われる栄養分も一緒に補える飲み物を選ぶことも大切です。
今日配布している『アクエリアス ゼロ』や日本気象協会『熱中症ゼロへ』プロジェクトの公式飲料『アクエリアス』といった、ナトリウムなどがきちんと摂れる飲み物を持ち歩いて、適切な水分補給をすることがポイントだと思います」(山下さん)