現代は、脱毛処理する女性が急増している時代。その一方でインターネット上では奇妙な現象が起きている。自らのワキ毛を生やした映像を動画サイトに投稿する女性が増えているのだ。中には、1100万回以上のアクセスを誇るものまである。
清楚な20代前半の美女が、カメラに向かい恥ずかしそうに両手を上げると、ワキには薄めの茂みが。「こんな女ってダメですか?」と、彼女は頬を赤らめる──。
思えば、1952年に上映されたイタリア映画『にがい米』の主演女優、シルバーナ・マンガーノのワキの下で揺れる細長い毛は、当時の日本人に衝撃を与えた。邦画でも、日活の看板女優と呼ばれた筑波久子や、“和製マンガーノ”と呼ばれた松竹の泉京子、また、現役国立大生としてAVデビューした黒木香は、世の男性に一大センセーションを巻き起こした。時として異性を引き寄せ、ブームとなるワキ毛。
医学的な話をすれば、ワキにあるアポクリン汗腺は体温調節のための汗ではなく、異性を誘う“匂い”を出すのが役目だという。ワキの脱毛などを手がける美容外科『きぬがさクリニック』総院長の衣笠哲雄氏がいう。
「毛はその部位を保温、保湿したり、異物から守るために生えるもの。アポクリン汗腺はワキのほか乳輪、肛門周囲などにありますがどれも毛によって覆われています。つまりワキ毛は、異性を引き寄せる性ホルモンを出すアポクリン汗腺を守っているといえます」
撮影■佐藤佑一
ワキ毛をつけてくれたモデル■斉木ゆあ
※週刊ポスト2013年11月22日号