今、自民党は憲法改正草案を発表している。しかし、その中身は第1章が「天皇」のままになっているのをはじめ(私自身は、天皇は憲法に書くのではなく、自然法で2000年続いたのだから、そのままで護持できるという意見だ)、第8章の「地方公共団体」を「地方自治体」に言い換えるなど、昭和憲法の字句修正程度のものでしかない。
ドイツと比べてみれば、日本が停滞・低迷している原因は中央集権の統治機構にあることは明明白白なのに、その基本認識が欠如しているのだ。
ただ、日本の急速な戦後復興と高度経済成長の局面では、中央集権が功を奏した面もある。しかし、ドイツも地方分権の連邦国家で日本と色のない復興と成長を成し遂げ、今はドイツ経済のほうが好調を持続しているのだから、日本もある程度の成長を遂げた時点で地方分権にシフトすべきだったと私は思う。
※週刊ポスト2013年12月13日号