親中、親北朝鮮と言われる朝日新聞。左翼思想に寄りそう偏向報道がいかに国益を損ねてきたかを、作家で歴史研究家の井沢元彦氏が論じる。
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報道機関の役割とは一体なんだろう?
それは言うまでもなく正確で的確な情報を国民に提供し、民主国家の主権者である国民が正しい判断ができるように支援することだろう。どんな報道機関もジャーナリストも、これには異論がないはずである。
にもかかわらず、この最も基本的な原則あるいは倫理を踏み外している報道機関が、日本には存在する。朝日新聞という。
ではどのように踏み外しているのか? 具体的な事例を持って指摘をしよう。私が戦後日本新聞史上「最低最悪」と考えている記事だ。
1982年9月19日付の朝刊に載ったもので、タイトルは「読者と朝日新聞」。筆者は東京本社中川昇三社会部長(当時)である。
まず背景説明をしよう。この頃、文部省(当時)の教科書検定において歴史教科書中の「中国への侵略」という文言が「進出」に書き改められたと新聞・テレビ各社が一斉に報じた。
そして、その一か月後に中国政府から抗議があった。朝日ばかりではなく、全てのマスコミが中国の代弁者と化し、これはケシカランと国および文部省を責めたてた。だが評論家渡部昇一氏らの努力によってこれは誤報であることが明らかとなった。
誤報は許されないことだが、人間の組織である以上過ちを犯すことはあり得る。
問題はその後の対応である。この記事は朝日新聞の読者からの「本当に誤報だったのですか?」という質問に対する答えである。