この時に肩体幹装具をつけて運動療法を行なう。両手を頭において、両肩・両肘が水平になる(ゼロポジション)ように立つ。左足を肩の向いている方向に出し、左足に全体重を掛けて身体を傾け、左手を左足の前に伸ばす。右手でボールを床・地面に向かって真上に弾むように真下に投げる。投げる時に背中全体を回すようにして、腕は肘から先を伸ばす。数回行ない、反対側も同じようにする。
「肩体幹装具は、左足の股関節に装具の端を結び、背中を通して肩に巻いて使用します。これを付けると腕の回旋が制限されるので、ボールを投げようとすると、身体全体を回すことになります。ボールを真下に思いっきり投げるには、身体を回し、肩甲骨から水平に腕を伸ばすことで大きな力が出せます。このフォームを身に付ければ、肩や肘の痛みは解消します」(渡會教授)
痛みは身体からの警告だ。たとえ草野球でも、痛みが出たら、間違った筋肉の使い方をしていると自覚し、フォーム改造を行なうことが大切だ。
(取材・構成/岩城レイ子)
※週刊ポスト2014年1月1・10日号