イタリア・セリエAのACミランに移籍した本田圭佑(27)。日本からやって来た「背番号10」には地元メディアの期待も高いが、本田が今後もセリエAで活躍できるかを占ううえで重要な意味を持ってくるのがデビュー戦だった。
本田は1月12日のサッスオロ戦で、後半20分に途中出場を果たすと、同38分には左足でポストを直撃する強烈なシュートを放つなど、チームを活性化させた。イタリア各紙も軒並み高評価を下し、上々のデビュー戦となったように思える。
だが、過去セリエAに籍を置いた日本人選手を振り返ると、デビュー戦での惜しいシュートには嫌なジンクスがある。
1999年、ベネチアで日本人3人目となるセリエA選手となった名波浩は、開幕戦で0対1とリードされた場面で途中出場すると、左サイドから正確なクロスを挙げ、同点ゴールをアシスト。終盤には、ポストを直撃する強烈なシュートを放ったが、惜しくもゴールはならなかった。
翌節はスタメンかと期待されたが、出場機会なし。その後、スタメンを張る機会もあったが、レギュラー奪取までは至らず。1シーズンでジュビロ磐田に復帰することになる。もし開幕戦のシュートがあと数センチ中に入っていれば、名波のサッカー人生は大きく変わったかもしれない。
ポストに泣いた選手はまだいる。2003年、サンプドリアに在籍した柳沢敦だ。レッジーナとの開幕戦、後半リードを許した場面でピッチに立つと、ゴール前で裏に飛び出し、フリーで強烈なシュートを放つ。しかし、GKベラルディが手を伸ばし、わずかに指に当てると、ボールは軌道を変えてポストに直撃。入っていれば、同点ゴールとなる一撃だった。
その後も、柳沢は控えを脱出することなく、スタメン出場はほとんどなし。1年目の通算出場時間は422分。シーズンの大半を途中出場で終え、サンプドリアからメッシーナに移籍することになる。