現役最年長Jリーガー・三浦知良、タレントの東山紀之や西島秀俊など、アラフィフ、アラフォーでも20代かと見間違うかのような体型を維持している人は少なくない。「別世界の人の話でしょ」と諦める必要はない。正しい知識を持ち、きちんとしたトレーニングをすれば、誰でも20代に近い体を手に入れることは決して難しいことではないのだ。2月3日に『20歳若返る筋トレ』(小学館刊)を上梓したカリスマトレーナー・坂詰真二氏に話を聞いた。
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坂詰氏は数多くのアマチュア・プロスポーツ選手らのコンディショニングコーチやフィットネスの現場を指導する一方で、各種メディアで執筆、出演、監修など幅広く活躍している。
--歳をとっても本当に若い頃の体を取り戻すことはできるのでしょうか。
坂詰:可能です。加齢とともに、脳、骨、関節、目や内臓などは弱っていきますが、唯一、筋肉だけは鍛えた分だけ量を増やしたり、機能を高めていくことができる器官です。40代はもちろん、60代になっても鍛えることができます。加齢によって顕著に衰えるのが筋肉で、これが体型を崩れさせる最大の原因なのですから、筋トレを継続的に行うことによって驚くほど若々しい体を取り戻せます。
実際、文部科学省の『体力・運動能力調査』で「ほぼ毎日、運動をしている40代後半の体力は、日頃運動をしない20代前半のそれと同じレベル」という結果が出ています。目指すのは、見た目は細いけれども脱いだらすごい細マッチョ体型です。
――食事量を減らすだけでは無理なのですね。
坂詰:もちろん、食事量を減らすこと自体は間違ってはいませんが、食事量を減らすだけだとエネルギーを消費してくれる筋肉も減ってしまい、基礎代謝量も低下します。結果として、食事量を減らしても、体重、体脂肪は減りにくくなります。だから、並行して筋トレをすることが必要なのです。筋肉量を維持することで体脂肪だけが減っていき、かつ太りにくい体質へと変わります。
――筋トレの重要性はわかりましたが、筋トレをするに当たって注意すべき点は。
「週に多くても3回まで、しかも連日は行わないことです。筋トレをすることによって、乳酸などの疲労物資が溜まり、同時に筋肉も損傷します。すると筋肉は、次回はそうしたストレスを受けても疲労しないように太く強くなり、レベルアップしていきます。これを「超回復」と言います。「超回復」には48時間から72時間が必要です。1回やったら2~3日の休養を与えてあげなくてはいけません。毎日、筋トレを行うと逆に筋肉のレベルを低下させてしまいます。休養もトレーニングの一部です。
――最近、体幹を鍛えるということがブームになっていますが。
坂詰:体幹のボリュームは大きく感じますが、大部分は内臓や内臓脂肪です。それに対して、下半身の大部分は筋肉です。下半身の筋肉量は体全体の6~7割を占めるため、体脂肪を減らすためには下半身を優先して鍛えること。鍛える順番も大きい筋肉からが基本ですので、下半身→上半身→体幹の順序で行うことが理想的です。