ライフ

団塊世代クレーマー目立つ リタイア後も相手の論破を試みる

 昨年、店にクレームをつけた挙句従業員に土下座を強要し、その写真をネットに公開し、後に強要罪で逮捕された女がいたが、そこまで極端な例ではなくても、「ホワイト・モンスター」と呼ばれる理不尽な客も少なくない。なぜ、彼ら、彼女らはモンスターと化してしまうのか? 新刊『理不尽な人に克つ方法』(小学館新書)を上梓したばかりの元刑事でクレーム対応のプロである援川聡(えんかわ・さとる)氏は、かつてスーパーで警備員の指導教育を担当した経験から、理不尽な客が生まれる理由を、このように解説する。

 * * *
 スーパーの売り場は、じっくり観察すると、「ホワイト・モンスター」寸前の人たちがたくさんいました。店員を捕まえてご高説をたれ始める初老の男性。

「こんなところに商品を積んでおいてはいけないな。危険じゃないか。ほかに倉庫を確保すべきだね」「そろそろ品揃えのリニューアルが必要じゃないか。テナントも代わり映えしないな、選考したほうがいいな」

 まるで「水戸黄門の世直し」気取りです。本人は、お店にアドバイスしているつもりなんですね。言っていることは間違いないのかもしれませんが、すぐに実現させるのは難しい注文ばかりです。

 こうした時、店は対応を迫られます。店としては、煩わしく思いながらも、顧客満足の精神から無碍にはできません。しかしこうした「ご意見」は、ややもすると長時間に及びます。忙しい時期や時間帯だと、この方に店員がかまけていることで、全体的なサービスは低下します。かといって、途中で話の腰を折ったりすれば、それまでの紳士然とした風情は吹っ飛びます。十中八九、モンスターのお出ましです。

「お前じゃ話にならん。社長を出せ!」と怒鳴り散らすのです。ますます、面倒なことになるのは必至です。まさに「困ったお客様」ですが、この男性をモンスター化させたのは何が理由なのでしょう?

 この方は、商品にクレームをつけているわけでも、店のサービスに文句を言っているのでもありません。金銭目的でのクレームでもない。寂しいのです、おそらく。心に寂しさが巣食っている。

関連記事

トピックス

紅白初出場のNumber_i
Number_iが紅白出場「去年は見る側だったので」記者会見で見せた笑顔 “経験者”として現場を盛り上げる
女性セブン
ストリップ界において老舗
【天満ストリップ摘発】「踊り子のことを大事にしてくれた」劇場で踊っていたストリッパーが語る評判 常連客は「大阪万博前のイジメじゃないか」
NEWSポストセブン
大村崑氏
九州場所を連日観戦の93歳・大村崑さん「溜席のSNS注目度」「女性客の多さ」に驚きを告白 盛り上がる館内の“若貴ブーム”の頃との違いを分析
NEWSポストセブン
弔問を終え、三笠宮邸をあとにされる美智子さま(2024年11月)
《上皇さまと約束の地へ》美智子さま、寝たきり危機から奇跡の再起 胸中にあるのは38年前に成し遂げられなかった「韓国訪問」へのお気持ちか
女性セブン
佐々木朗希のメジャー挑戦を球界OBはどう見るか(時事通信フォト)
《これでいいのか?》佐々木朗希のメジャー挑戦「モヤモヤが残る」「いないほうがチームにプラス」「腰掛けの見本」…球界OBたちの手厳しい本音
週刊ポスト
野外で下着や胸を露出させる動画を投稿している女性(Xより)
《おっpいを出しちゃう女子大生現る》女性インフルエンサーの相次ぐ下着などの露出投稿、意外と難しい“公然わいせつ”の落とし穴
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告。父・修被告が洗面所で目の当たりにしたものとは
《東リベを何度も見て大泣き》田村瑠奈被告が「一番好きだったアニメキャラ」を父・田村修被告がいきなり説明、その意図は【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
結婚を発表した高畑充希 と岡田将生
岡田将生&高畑充希の“猛烈スピード婚”の裏側 松坂桃李&戸田恵梨香を見て結婚願望が強くなった岡田「相手は仕事を理解してくれる同業者がいい」
女性セブン
電撃退団が大きな話題を呼んだ畠山氏。再びSNSで大きな話題に(時事通信社)
《大量の本人グッズをメルカリ出品疑惑》ヤクルト電撃退団の畠山和洋氏に「真相」を直撃「出てますよね、僕じゃないです」なかには中村悠平や内川聖一のサイン入りバットも…
NEWSポストセブン
注目集まる愛子さま着用のブローチ(時事通信フォト)
《愛子さま着用のブローチが完売》ミキモトのジュエリーに宿る「上皇后さまから受け継いだ伝統」
週刊ポスト
連日大盛況の九州場所。土俵周りで花を添える観客にも注目が(写真・JMPA)
九州場所「溜席の着物美人」とともに15日間皆勤の「ワンピース女性」 本人が明かす力士の浴衣地で洋服をつくる理由「同じものは一場所で二度着ることはない」
NEWSポストセブン
イギリス人女性はめげずにキャンペーンを続けている(SNSより)
《100人以上の大学生と寝た》「タダで行為できます」過激投稿のイギリス人女性(25)、今度はフィジーに入国するも強制送還へ 同国・副首相が声明を出す事態に発展
NEWSポストセブン