2013年8月。社長や増田をはじめジェーピーエヌの社員たちの思いを込めた『タケルくん』は満を持して発売された。年間販売目標は1万台。ところが、発売前から予約が殺到。わずか3か月で7000台が売れた。冷たかった販売店も「在庫分をすべて仕入れさせてほしい」といってきた。
だが増田はその申し出を断わったという。
「『タケルくん』を一過性のブームで終わらせたくないのです。それまで見向きもしなかったのに、売れそうだからといって飛びつくような人にではなく、この商品の存在価値を本当に理解してくれる人に売ってもらいたい。社長はいつもこういいます。“物は人なり”。私も同じ気持ちです」
現在増田は、第2弾の自動車用ポットの発売に意欲を燃やしている。
(文中敬称略)
■取材・構成/中沢雄二
※週刊ポスト2014年2月14日号