今年もまた「バレンタインデーの悲劇」を繰り返されるのか。2月14日に露わになる格差社会の現実とはなにか。作家で人材コンサルタントの常見陽平氏が語る。
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もうすぐバレンタインデーです。このバレンタインデーにより可視化される格差、これにどう向き合うか。負荷をどうするか。これは職場の、今、そこにある危機です。デパートやスーパーでは年明け早々、売り場が作られます。クリスマス同様、バレンタイン商戦も早期化、長期化していますね。
おなじみの本命チョコ、義理チョコだけでなく、最近は同性同士で贈る友チョコ、家族に贈るファミチョコ、お世話になった方に贈る世話チョコなるものも登場しています。少し古いデータではありますが、OZmallの『バレンタイン白書2013』によると、アンケートに回答した694人のうち、「チョコは誰にあげる?(複数回答)」という質問に対して1位の彼(385人)、2位の父親(254人)に続き、3位に女友達(168人)、4位に上司・同僚(134人)が入っています。まさに本命チョコ、ファミチョコ、友チョコ、世話チョコが勢揃いというランキングになっていますね。
このチョコレート、もらうと嬉しいものですが、実は格差を可視化するものでもあります。
私のPodcast番組「陽平天国の乱」に、非正規で働く男性から寄せられたお手紙は、モテと非モテだけでなく、正規雇用と非正規雇用の差を物語っていました。ただでさえ非モテなのに、非正規雇用者として職場に常駐しているので、どう頑張っても職場でチョコレートをもらう対象にならないのだとか。
もちろん、これは一体験談にすぎないかもしれませんが、バレンタインデーに限らず、ここ十数年で、非正規雇用者が増えてきた中で、職場でのイベントは、誰が対象なのかは、問題となってきたことであります。
義理チョコ、世話チョコについても、このままでは相当な負担、出費になるのではないかと不安になってしまいます。私も大手企業に勤めていた頃、2月14日になると、女性の営業担当者が手提げ袋いっぱいのチョコレートを持って営業に出かけていく様子を見かけたものです。
普段、お世話になっているお礼、大事な商談のプッシュなどの意味があるようですが、自腹でやっているとしたならば、これは金銭的負担が大きすぎないかと思った次第です。会社の経費で行い、上司がそうするように指導しているとしたならば、女性であることを利用し営業活動をさせているわけで、それはそれで問題です。
私たちはいつまでこんなバレンタインデーを続けるのでしょうか。そろそろ見直す時期なのではないでしょうか。