日本でのバレンタインは女性から男性へチョコレートを贈るもの。ところが5年ほど前から男性からの「逆チョコ」が増加中といわれている。とはいっても、多くの人にとってそれは特殊例でチョコレート業界の戦略と笑い飛ばすものだった。だが、実際にバレンタインにチョコレートを購入する男性は増えている。
20~50代の女性に2014年のバレンタインについて実施したアンケートによれば、29.6%もの女性が男性からバレンタインにチョコレートをもらったことがあると回答しているのだ(株式会社ウェディングパーク調べ)。
もう少し詳しい2013年の調査によると、20~49歳の働く男性の21%、5人に1人もの人が、バレンタイン商品の購入予定があると答えている。購入するものの内訳はチョコレートのみは7.0%、チョコレートとプレゼントが7.2%、プレゼントのみが0.8%という結果だった(株式会社マクロミル調べ)
男女ともにプレゼントを恋人や親しい人へバレンタイン商品を贈る欧米のようになってきただけでなく、日本らしいアレンジも加えられている。
5人に1人にいるバレンタイン商品を購入する男性に贈る相手の内訳を尋ねると、職場の同僚や上司へ配る日本独特の習慣、義理チョコ(会社の同僚・部下が7.6%、会社の上司2.9%)が存在し、近年日本女性の間でも増加中の「友チョコ」(女友達13.3%、男友達2.9%)、「ご褒美チョコ」(自分自身6.7%)と同じように多様化しているのだ。
通信会社で働く30代男性は、バレンタインになると必ず自分への「ご褒美チョコ」を用意する。今年も、2003年から伊勢丹新宿店などで開催されている「サロン・デュ・ショコラ」に必ず出かけ、普段は手に入りづらいブランドのチョコレートを購入した。
「仕事が忙しい時期と重なりましたが、なんとかぎりぎり間に合いました。『サロン・デュ・ショコラ』は混み合って並びますから、時間に余裕をもっていかないと。意外に男性のお客さんも多いんですよ。今年はSilvio Bessone(シルヴィオ・ベッソーネ)のクネージ トリコローレを自分用に買いました。仕事の息抜きに、少しずつ味わいながら食べています」