全身、「フッションセンターしまむら」の服でコーディネートした若い女性が数多く出現し、“しまらー”と持て囃されたのが2009年。あれから5年、しまむらの勢いに少しずつ陰りが見え始めている。
同社の2013年3~11月期の決算は、純利益が前年同期比2%減の207億円。最終減益に転落したのも5年ぶりということを考えると、しまらーブームはどうやら一巡したのかもしれない。
だが、しまむらの苦戦をよそに、躍進するカジュアル衣料ブランドもある。宮崎あおいのCMで知られる「アースミュージック&エコロジー」(クロスカンパニー)である。
「クロスカンパニーは、『洋服の青山』(青山商事)出身の石川康晴氏が1994年に岡山市で4坪のセレクトショップを開業したのが始まり。
20~30歳代の女性をメインターゲットに、トレンドを押さえた中価格帯の服をブランド毎に細分化。立地のいい駅ビルへの出店拡大やCM効果で認知度が一気に高まった」(ファッション業界専門誌の編集長)
現在、店舗数は国内だけで800店以上。この10年でクロスカンパニーの売上高は22倍の1000億円を突破した。また、来春には東証1部への上場も予定するなど、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いといっていい。
早くも“ポストしまむら”の呼び声が高い同社。流通コンサルタントの月泉博氏は、クロスカンパニーの強さには「時代も味方している」と話す。
「景気回復基調が出てくるにつれ、低価格の婦人服の代表であったしまむらから、多少値段は高くてもオシャレでカワイイ洋服を着たいというニーズが高まっている。
『アースミュージック&エコロジー』は、そんな女性たちの心を掴む商品だけでなく、洗練された店づくりなど、時代の雰囲気を読むマーケティングに長けています」