投資情報会社・フィスコ(担当・村瀬智一氏)が、株式市場の2月17日~2月21日の動きを振り返りつつ、2月24日~2月28日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は上昇。年初から下落基調が続いていたが、7週ぶりの上昇となった。日経平均の水準としては先週の価格レンジ(14200-14800円)内での推移であり、依然として方向感が掴みづらい水準でもある。また、ここにきて日中値幅が大きくなる状況が目立っている。
先週については18日の日銀の金融政策決定会合の結果を受けての急動意。金融政策の現状維持が発表された直後は下げたものの、貸出支援基金の規模を2倍にしたことが材料視され、先物主導で日経平均を押し上げる展開に。一方、20日は2月の中国HSBC製造業PMI(速報値)が予想を下回ったことをキッカケに先物主導で下げ幅を拡大させ、18日の上昇部分をほぼ帳消しにした。そして週末は、過剰反応に対するリバウンドの流れが強まり、再び週間の高値圏を回復している。
日経平均は週末の反発によって直近の戻り高値水準を回復してきている。しかし、足元での先物主導による荒い値動きをみると、心理的な節目である14800円レベルと同水準に位置する25日線や26週線、そして節目の15000円を明確に捉えてくるまでは、強気にはなりづらい需給状況であろう。まずは、これらの抵抗突破を見極めたいところ。ちなみに26週線が14880円辺りに位置している。ギャップ・アップで週初にもこれをクリアしてくるようだと、26週線が支持線に変わることになり、15000~15200円のレンジが意識されてくる。
一方、日銀の追加緩和期待が根強く売り込みづらい状況であるが、世界経済の中で米経済の明るさを意識する市場関係者が増えており、米株買いに対して日本株売りといったポジション圧縮が続く可能性がある。NISA(少額投資非課税制度)資金から材料株などの下値は堅そうだが、海外勢の需給状況なども睨みながら、相場全体の方向性については見極めが必要な状況が続く可能性もあろう。