投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が、2月24日~2月28日のドル・円相場の見通しを解説する。
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今週のドル・円は、悪天候のために13日から27日に延期されたイエレン第15代FRB議長の上院での議会証言を見極める展開となる。悪天候により米国の景況感悪化懸念が高まっていること、米国連邦準備理事会(FRB)のテーパリング(量的緩和縮小)を受けて新興国からの資本流出が加速しており、テーパリングの中断観測が高まりつつある。
【日本の2月上旬貿易収支】(27日)
1月の日本の貿易赤字は、過去最大規模の2兆7900億円に拡大した。2月上旬の貿易赤字も、拡大基調が予想されており、円安要因となる。
【イエレンFRB議長の議会証言】(27日予定)
2月13日に予定されていたイエレンFRB議長の上院での議会証言は、寒波により27日に延期された。寒波による米国の景況感悪化や新興国通貨不安を受けて、3月の連邦公開市場委員会(FOMC)でのテーパリングの中断の可能性を見極めることになる。
【日本の1月のコア消費者物価指数】(28日)
日本の1月のコア消費者物価指数は、前年比+1.3%と予想されており、12月の前年比+1.3%から変わらずと見込まれている。予想通りのインフレ率ならば、ドル・円は下げ渋る展開が予想される。
【米国10-12月期国内総生産(GDP)改定値】(28日)
米国10-12月期の国内総生産(GDP)の改定値は、前期比年率+2.5%と予想されており、速報値の前期比年率+3.2%からの減速が見込まれている。米国の景況感の低迷は、3月のFOMCでのテーパリング中断観測を高めることになる。
【リパトリ(外貨建て資産売却・円買い)】
3月期末決算に向けた本邦機関投資家によるリパトリ(外貨建て資産売却・円買い)により円買い圧力が強まることが予想される。
2月24日-28日に発表予定の主要経済指標のポイントは次の通り。