ビジネス

日本人は10年前より肉食化の傾向高まる アベノミクス効果も

食卓での存在感を増す「肉類」

 総務省から家計調査が発表された。それによるとアベノミクス効果で牛肉に対する支出が増えているという。一方で和食に欠かせない魚類など支出は減っている。多様化する日本の食卓について、食文化に詳しい編集・ライターの松浦達也氏が分析する。

 * * *
 先日、総務省から2013年の家計調査が発表され、アベノミクスに湧いたこの年を象徴する食料として、「牛」が挙げられていた。「消費者マインドの改善などもあり、2013年1~3月期以降、4期連続の増加となっている」という。

 では、実際のところ、食料や肉に対する消費動向から景気回復の予兆は見えてくるのだろうか。発表された2013年の家計調査(総世帯)から日本の食景気を検証する。まず、この10年の家計における「食料」支出の推移から見ると……。

        2003年      2013年
食料     81万3349円 → 78万450円
穀類      7万1830円 → 6万4477円
野菜・海藻類  8万8766円 → 8万3343円
魚介類     8万491円 →  6万4292円
肉類      5万8775円 → 6万2156円

 「食料」全体の年間の消費支出額で見ると、この10年で81万3349円(2003年)から78万450円(2013年)と3%近くのダウンに。内訳となる各項目でもこの10年で、米やパンなどの「穀類」が7万1830円→6万4477円、「野菜・海藻類」が8万8766円→8万3343円といずれも大幅ダウン。「魚介類」に至っては8万491円→6万4292円で約2割減となっている。

 「食料」全体で3%減で済んでいるのは、唯一増えた「肉類」が他項目の目減りした分を支えているからだ。実は「肉類」の内訳でも同じ現象が起きていて、10年前と比較して牛肉への支出は8%以上減。しかし、豚や鶏への支出がこの10年で10数%増え、牛のマイナス分を補っているため、「肉類」全体としては増えている。

2003年 牛肉1万6970円 豚肉1万7095円 鶏肉8472円
2013年 牛肉1万5547円 豚肉1万9302円 鶏肉1万198円

 この10年で右肩下がりだった項目にも、昨年でいったん底を打ったものは多い。総務省が例に挙げた「牛」は1万4338円(2012年)→1万5547円(2013年)に。その他、同じ1年間で比較すると、魚介類が6万3620円→6万4282円、野菜・海藻も8万1454円→8万3343円と「食料」全体として好況感が出てきているのは間違いなさそうだ。

トピックス

山口組分裂抗争が終結に向けて大きく動いた。写真は「山口組新報」最新号に掲載された司忍組長
「うっすら笑みを浮かべる司忍組長」山口組分裂抗争“終結宣言”の前に…六代目山口組が機関紙「創立110周年」をお祝いで大幅リニューアル「歴代組長をカラー写真に」「金ピカ装丁」の“狙い”
NEWSポストセブン
「衆参W(ダブル)選挙」後の政局を予測(石破茂・首相/時事通信フォト)
【政界再編シミュレーション】今夏衆参ダブル選挙なら「自公参院過半数割れ、衆院は190~200議席」 石破首相は退陣で、自民は「連立相手を選ぶための総裁選」へ
週刊ポスト
Tarou「中学校行かない宣言」に関する親の思いとは(本人Xより)
《小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」》両親が明かす“子育ての方針”「配信やゲームで得られる失敗経験が重要」稼いだお金は「個人会社で運営」
NEWSポストセブン
中居正広氏と報告書に記載のあったホテルの「間取り」
中居正広氏と「タレントU」が女性アナらと4人で過ごした“38万円スイートルーム”は「男女2人きりになりやすいチョイス」
NEWSポストセブン
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波も(マツコ・デラックス/時事通信フォト)
『月曜から夜ふかし』不適切編集の余波、バカリズム脚本ドラマ『ホットスポット』配信&DVDへの影響はあるのか 日本テレビは「様々なご意見を頂戴しています」と回答
週刊ポスト
大谷翔平が新型バットを握る日はあるのか(Getty Images)
「MLBを破壊する」新型“魚雷バット”で最も恩恵を受けるのは中距離バッター 大谷翔平は“超長尺バット”で独自路線を貫くかどうかの分かれ道
週刊ポスト
もし石破政権が「衆参W(ダブル)選挙」に打って出たら…(時事通信フォト)
永田町で囁かれる7月の「衆参ダブル選挙」 参院選詳細シミュレーションでは自公惨敗で参院過半数割れの可能性、国民民主大躍進で与野党逆転へ
週刊ポスト
約6年ぶりに開催された宮中晩餐会に参加された愛子さま(時事通信)
《ティアラ着用せず》愛子さま、初めての宮中晩餐会を海外一部メディアが「物足りない初舞台」と指摘した理由
NEWSポストセブン
「フォートナイト」世界大会出場を目指すYouTuber・Tarou(本人Xより)
小学生ゲーム実況YouTuberの「中学校通わない宣言」に批判の声も…筑駒→東大出身の父親が考える「息子の将来設計」
NEWSポストセブン
大谷翔平(時事通信)と妊娠中の真美子さん(大谷のInstagramより)
《妊娠中の真美子さんがスイートルーム室内で観戦》大谷翔平、特別な日に「奇跡のサヨナラHR」で感情爆発 妻のために用意していた「特別契約」の内容
NEWSポストセブン
沖縄・旭琉會の挨拶を受けた司忍組長
《雨に濡れた司忍組長》極秘外交に臨む六代目山口組 沖縄・旭琉會との会談で見せていた笑顔 分裂抗争は“風雲急を告げる”事態に
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 中居トラブル被害女性がフジに悲痛告白ほか
NEWSポストセブン